平成28年度税制改正の大綱の概要

平成28年度税制改正の大綱の概要

2016-06-10 金

(平成27年12月24日 閣議決定)
【個人所得課税】

○ 空き家を売却した際の譲渡所得の特別控除の導入
•相続により生じた空き家であって旧耐震基準しか満たしていないものに関し、相続人が必要な耐震改修又は除却を行った上で家屋又は土地を売却した場合の譲渡所得について特別控除(3,000万円)を導入。

○ 三世代同居に対応した住宅リフォームに係る税額控除制度の導入
•三世代同居に対応した住宅リフォームに関し、借入金を利用してリフォームを行った場合や自己資金でリフォームを行った場合の税額控除制度を導入(借入金:住宅借入金等の年末残高の1~2%、自己資金:標準的な工事費用相当額の10%)。

○ スイッチOTC薬控除(医療費控除の特例)の導入
•検診、予防接種等を受けている個人を対象として、いわゆるスイッチOTC医薬品の購入費用(年間1.2万円を超える部分の金額)についてセルフメディケーション推進のための所得控除制度(医療費控除の控除額計算上の特例措置)を導入。

○ 個人の寄附税制の包括的な見直し
•国立大学法人等の行う学生の修学支援事業のために充てられる個人寄附について税額控除制度を導入。
•公益法人等について、個人寄附に係る税額控除の対象となるために必要な寄附者数の要件を事業規模に応じて緩和。


【資産課税】

○ 農地保有に係る課税の強化・軽減
•農業委員会から農地中間管理機構との協議の勧告を受けた遊休農地について、通常の農地より固定資産税の評価額を引上げ。
•所有する全農地を農地中間管理機構に10年以上貸し付けた場合は、固定資産税等の課税標準を最初の3年間価格の2分の1等とする特例措置を創設。

○ 機械及び装置の固定資産税の特例措置の創設
•中小企業の生産性向上に関する法律(仮称)の制定を前提に、中小企業者等が、同法の施行の日から平成30年度末までに、一定の機械及び装置の取得をした場合には、固定資産税の課税標準を最初の3年間価格の2分の1とする特例措置を創設。


【法人課税】

○ 成長志向の法人税改革
•法人税率の引下げ等


             平成27年度    平成28・29年度   平成30年度



法人税率           23.9%   ⇒    23.4%      23.2%

法人事業税所得割※      6.0%        3.6%       3.6%

(参考)
国・地方の法人実効税率   32.11%       29.97%       29.74%

※平成28年度までは、地方法人特別税を含む

•課税ベースの拡大等: -租税特別措置の見直し(後掲)
-減価償却の見直し(建物附属設備・構築物の償却方法を定額法に一本化)
-欠損金繰越控除の更なる見直し(大法人の控除限度 平成28年度:所得の65%⇒60%、平成29年度:所得の50%⇒55%)
-法人事業税の外形標準課税の更なる拡大(現行(平成27年度):3/8⇒平成28年度:5/8)

○ 租税特別措置の見直し
•生産性向上設備投資促進税制の縮減・廃止(現行:即時償却等⇒平成28年度:特別償却率50%等⇒平成29年度:廃止(平成28年度税制改正法案において明確化))
•環境関連投資促進税制の見直し(売電用の太陽光発電設備の除外等)
•雇用促進税制の見直し(対象地域・対象雇用者の限定) 等

○ 地方法人課税の偏在是正(平成29年度~)
•法人住民税法人税割の税率の引下げ及び地方法人税の税率の引上げ
•地方法人特別税及び地方法人特別譲与税の廃止
•法人事業税交付金の創設

○ 地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)の創設
•地域再生法の改正を前提に、地方公共団体の行う同法の認定計画に記載された一定の事業に関連する寄附金を支出した場合の税額控除を創設

○ 復興支援のための税制上の措置
•復興産業集積区域において機械等を取得した場合の特別償却又は税額控除制度について、一定の見直しを行いつつ、適用期限を5年延長(その際、被災地の実情等を踏まえ、一部要件緩和) 等

【消費課税】

○ 消費税の軽減税率制度の導入
•平成29年4月から軽減税率制度を導入。
•対象品目は、1酒類及び外食を除く飲食料品、2新聞の定期購読料
•軽減税率は8%(国分:6.24%、地方分:1.76%)
•平成33年4月から適格請求書等保存方式を導入。それまでの間は簡素な方法とするとともに、税額計算の特例を設ける。

※ 軽減税率制度の導入に当たり、安定的な恒久財源を確保するとともに、軽減税率制度の円滑な導入・運用のために必要な措置を講ずる旨を、平成28年度税制改正法案に規定する。

○ 外国人旅行者向け消費税免税制度の拡充
•外国人旅行者向け消費税免税制度につき、免税販売の対象となる一般物品の購入下限額を引下げ(1日1店舗当たり「10,000円超」→「5,000円以上」)。

○ 車体課税の見直し
•平成29年4月の消費税率10%への引上げ時に、自動車取得税を廃止するとともに、自動車税及び軽自動車税において、自動車取得税のグリーン化機能を維持・強化する環境性能割をそれぞれ導入。
•平成28年度に適用される自動車税及び軽自動車税におけるグリーン化特例(軽課)の見直し・延長。


【国際課税】

○ 日台民間租税取決め
•「日台民間租税取決め」(租税条約に相当。法的効力は無し。)(平成27年11月に署名)に規定された内容(日台間で支払われた配当等の源泉地における課税の税率の10%への引下げ等)を日本で実施するための国内法を整備。

○ 多国籍企業情報の報告制度等の構築
•多国籍企業のグローバルな活動・納税実態の把握のため、各国が協調して情報収集・共有する枠組等を構築。


【納税環境整備】

○ 国税のクレジットカード納付制度の創設
•インターネット上でのクレジットカードによる国税の納付を可能とする制度を創設。

○ 加算税制度の見直し
•短期間に繰り返して無申告又は仮装・隠蔽が行われた場合の加算税の加重措置(無申告加算税・重加算税を10%加算)等を導入。


【関税】

○ 暫定税率の適用期限の延長

○ 輸出入申告官署の自由化等
•AEO(認定事業者)について輸出入申告官署を自由化するとともに、通関業制度の見直しを行う。

平成27年度税制改正の大綱の概要

2015-03-24 火

【個人所得課税】

  • ○ NISAの拡充


    • ジュニアNISAを創設(20歳未満の者の口座開設を可能に。年間投資上限額80万円)。
    • 投資上限額を引上げ(年間100万円⇒120万円)。
  • ○ 住宅ローン減税等の適用期限の変更


    • 住宅ローン減税の拡充等の措置について、その適用期限を1年半延長(平成29年12月31日まで⇒平成31年6月30日まで)。
  • ○ 国外転出をする場合の譲渡所得等の特例の創設


    • 時価1億円以上の有価証券等を有する等一定の要件に該当する者が国外に転出する際に、その有価証券等の譲渡等をしたものとみなして課税する特例を創設。
  • ○ ふるさと納税の拡充


    • 特例控除額の拡充(上限:個人住民税所得割額の1割⇒2割)。
    • 返礼品送付について、寄附金控除の趣旨を踏まえた良識ある対応の要請。
    • 申告手続の簡素化(確定申告不要な給与所得者等がふるさと納税を行う場合、ワンストップで控除を受けられる仕組みを導入)。


【資産課税】

  • ○ 住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置の延長・拡充


    • 適用期限を延長した上で拡充(非課税枠:1,000万円⇒最大3,000万円)。
  • ○ 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の創設


    • 子や孫の結婚・出産・育児に要する資金の一括贈与に係る非課税措置を創設(非課税枠:1,000万円)。


【法人課税】

  • ○ 成長志向に重点を置いた法人税改革


    • 法人税率の引下げ等
      現行 27年度 28年度
      法人税率  25.5%   23.9%    23.9%
      法人事業税所得割(標準税率)    7.2%     6.0%   4.8%
      (参考)
      国・地方の法人実効税率
      34.62%  32.11%
      (▲2.51%)
        31.33%
      (▲3.29%)
    • 課税ベースの拡大等
      • -欠損金繰越控除の見直し
        (大法人の控除限度 現行:所得の80%⇒27年度:65%⇒29年度:50%)
      • -受取配当等益金不算入の見直し
        (現行:持株比率25%未満は50%、25%以上は100%益金不算入
        ⇒5%以下は20%、5%超1/3以下は50%、1/3超は100%益金不算入)
      • -法人事業税の外形標準課税の拡大(現行:1/4⇒27年度:3/8⇒28年度:1/2)
      • -租税特別措置の見直し(後掲)
    • 所得拡大促進税制等の見直し
      • -給与等支給増加割合の要件の見直し
        (現行:基準年度比27年度+3%→28年度+5%→29年度+5%
        ⇒27年度+3%→28年度+4%(中小+3%)→29年度+5%(中小+3%))
      • -法人税の所得拡大促進税制の要件を満たす場合に、法人事業税(外形標準課税)において、給与等支給額の増加分を付加価値割の課税ベースから控除する制度を導入
  • ○ 地方拠点強化税制の創設


    • 地域再生法の改正を前提に、地方拠点建物等を取得した場合の投資減税の創設や雇用促進税制の拡充を行う。
  • ○ 租税特別措置の見直し


    • 研究開発税制の見直し(控除限度額の総枠は「法人税額の30%」を維持しつつ、特別試験研究費の控除限度を別枠化(5%)。限度超過額の繰越制度を廃止)
    • 生産等設備投資促進税制の廃止
    • 太陽光発電設備の即時償却の廃止 等


【消費課税】

  • ○ 消費税率(国・地方)10%への引上げ時期の変更等


    • 平成27年10月1日から平成29年4月1日へと変更。
    • 景気判断条項(国税に係る税制抜本改革法附則18条3項及び地方税に係る税制抜本改革法附則19条3項)を削除。
  • ○ 国境を越えた役務の提供に対する消費税の課税の見直し


    • 国外事業者が国境を越えて行う電子書籍・音楽・広告の配信等の電子商取引を消費税の課税対象とする。
  • ○ たばこ税(旧3級品)の見直し


    • 旧3級品の紙巻たばこに係る特例税率を段階的に縮減・廃止。
  • ○ 車体課税の見直し


    • エコカー減税(自動車重量税・自動車取得税)について、減免税車の対象範囲を見直した上で、適用期限を2年延長。
    • 軽自動車税について、平成27年度に新規取得した一定の環境性能を有する軽四輪等について、その燃費性能に応じたグリーン化特例(軽課)を導入。二輪車に係る税率の引上げ時期を平成27年4月1日から平成28年4月1日に1年延期。
  • ○ 狩猟税の見直し


    • 対象鳥獣捕獲員に係る狩猟者登録を非課税(現行:1/2)とする措置等を、平成30年度(平成31年3月31日)まで実施。


【国際課税】

  • ○ 外国子会社配当益金不算入制度の適正化


    • 外国子会社において損金に算入される配当を外国子会社配当益金不算入制度の適用対象から除外。
  • ○ 非居住者に係る金融口座情報の自動的交換制度の整備


    • 非居住者の金融口座情報の自動的交換のため、金融機関に対し非居住者の金融口座情報の報告を求める制度を整備。


【納税環境整備】

  • ○ 財産債務明細書の見直し


    • 提出基準、記載事項等を見直し。
  • ○ マイナンバーが付された預貯金情報の効率的な利用に係る措置


    • 銀行等に対し預貯金情報をマイナンバーにより検索可能な状態で管理することを義務づけ。


【関税】

  • ○ 指定薬物の水際における取締り強化


    • 指定薬物を関税法上の「輸入してはならない貨物」に追加。
  • ○ 暫定税率等の適用期限の延長

財務省参照URL【http://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2015/27taikou_gaiyou.htm】

税制改革

2015-03-19 木